本記事では、放置された田んぼが抱えるリスクを踏まえたうえで、活用や収益化につながる具体的なアイデアを紹介します。
使わない田んぼの活用方法1:農地のまま
使われていない田んぼは、農地として他人に貸し出すことで有効に活用できます。ここでは、農地のまま活用する主な方法を3つ紹介します。
知人などに農地として貸す
使わない田んぼを活用する方法のひとつは、地域の農家や親戚、知人など、農地を必要としている身近な知り合いに貸し出す方法です。
ただし、2025年4月から「農業経営基盤強化促進法等の一部を改正する法律」が施行され、それにより、農用地利用集積計画に基づく利用権設定が廃止されます。
そのため、新規の農地貸し借りについては、2025年4月から「農地中間管理機構(農地集積バンク)」を通じた手続きが必要になります。これらの手続きを経ていない貸し借りは無効となるため、親しい相手との契約であっても、必ず正式な手続きを行うよう注意しましょう。
出典:農林水産省 経営局「農業経営基盤強化促進法等の一部を改正する法律について」(https://www.maff.go.jp/j/keiei/koukai/attach/pdf/chiiki_keikaku-50.pdf
市民農園として貸し出す
市民が手軽に農作物を育てられる「市民農園」として貸し出す方法も有効です。市民農園として貸す際には、農地を小さな区画に分けて貸し出すことで、農業のハードルが下がり、利用希望者が集まりやすくなります。
農地集積バンクに預ける
農地中間管理機構(農地集積バンク)に田んぼを預けることで、金銭トラブルのリスクを回避しながら、農地を有効活用できます。農地集積バンクとは、農林水産省の管轄で運営されている制度で、農地の貸し手と借り手をつなぐ公的な仲介機関です。
この制度を利用すれば、貸し出し後に賃料が支払われないといったリスクを避けられるほか、契約終了後には必ず農地が返還されるといった安心感もあります。
使わない田んぼの活用方法2:農地以外
使われていない田んぼは、農地以外の用途に転用も可能です。ここでは、農地以外での代表的な転用方法を4つ紹介します。
住宅やアパートの用地に転用する
住宅需要のある地域では、田んぼを住宅やアパート用地に転用して賃貸収益を得ることも可能です。ただし、都市計画や条例により転用できない場合があり、初期費用もかかるため、事前の計画が重要です。
高齢者向け施設用に貸し出す
使わない田んぼを整地し、高齢者向けの介護施設やサービス付き高齢者向け住宅を建てて、介護事業者に貸し出す方法も有効な活用手段のひとつです。日本では高齢化が進行しており、介護施設やサービス付き高齢者住宅などのニーズが高まっています。
駐車場にする
初期費用を抑えながら活用できる方法として、駐車場への転用もあります。ただし、収益性を確保するためには、周辺エリアの駐車需要や交通量、立地条件を事前にしっかり調査することが重要です。
太陽光発電施設を設置する
広い面積と良好な日当たりを活かして、太陽光パネルを設置し、売電による収益を得る方法があります。維持管理コストを抑えやすく、長期的に安定した収益が見込める点が魅力です。
とくに注目されているのが「水上太陽光発電」です。これは、水面に浮かべたフロートの上に太陽光パネルを設置する発電方式で、使われなくなったため池などを活用できることから、土地の再活用方法として注目を集めています。
シエル・テール・ジャパンは、持続可能な世界のために、水上太陽光を世界中で不可欠なエネルギー源にすることを目指しています。水上太陽光発電をご検討中の方は、ぜひお気軽にお問い合わせください。
こちらの記事では 、水上太陽光発電について詳しく解説しています。
設置するメリット・デメリットやポイントについても紹介しているため、ぜひあわせてご覧ください。
使わない田んぼを放置するリスク
田んぼを長期間使用せずに放置しておくと、雑草や害虫の発生などにより、土地の価値が下がってしまう可能性があります。ここでは、放置された田んぼが引き起こす主なリスクについて解説します。
土地が荒れて価値も下がる
長期間使用されていない田んぼは、雑草や雑木が生い茂り、荒地のような状態になります。周囲の景観を損なうだけでなく、害虫の発生や近隣トラブルの原因にもなりかねません。さらに、資産価値も下がり、売却や貸し出しが難しくなる恐れがあります。
固定資産税の負担が通常の農地より重くなる
使わない田んぼを放っておくと、税金が高くなる可能性があります。農業に使用している田んぼには、固定資産税の特例が適用されているためです。
固定資産税の特例が受けられるのは、農地としての活用していることが前提条件です。つまり、長期間耕さずに放置していると、遊休農地(使っていない農地)と見なされ、特例を受けられません。
通常、農地の固定資産税は「売却価格 × 0.55(限界収益率)」で計算されるため、優遇されていない場合に比べて抑えられます。一方、遊休農地になると限界収益率が適用されないため、税金が通常の農地の約1.8倍 になります。
税金の支払いを少しでも抑えるためには、田んぼは使わないままにせず、何かしらの方法で活用することが重要です。
出典:農林水産省「遊休農地の課税の強化」(https://www.maff.go.jp/j/aid/zeisei/nou/attach/pdf/index-57.pdf)
田んぼを農業以外に使う場合は手続きが必要
田んぼを農業以外に使うには、自己利用・貸し出しに関わらず農地転用の手続きが必要です。農地転用とは、農地であった土地を農地以外に転用することです。
また、田んぼの場所によっては、都市計画法のルールが関わる場合もあります。たとえば、市街化調整区域にある農地では、建物の建築が原則として認められておらず、特別な許可が必要になるケースもあります。
こうした場合、複数の書類をそろえて手続きを進める必要があり、専門的な知識が求められる場面も少なくありません。
シエル・テール・ジャパンは、業界で最も長い歴史を持つ水上太陽光のパイオニアとして、これまで蓄積された知見や経験により、信頼性の高いサービスを提供しております。設計から施工、保守管理まで、高品質の技術力をお約束いたしますので、ぜひ安心してお任せください。
農地転用ができないケースもある点に注意
農地転用を検討する際は、できないケースに注意が必要です。農地法では、農地を5つの種別に分類しており、それぞれ転用の可否が決まっています。
転用不可の農地種別に該当するケース
農地の立地や周辺環境により、農地法にもとづいて以下の5つに分類されています。
自分の土地がどの分類にあたるのかは、場所や周辺の状況によって変わります。判断が難しいため、市町村の農業委員会へ事前に確認しましょう。
建築基準法の接道義務に抵触するケース
農地を住宅や店舗、施設などに転用する場合に注意すべきなのが「接道義務」です。接道義務とは、建物を建てる敷地が幅4m以上の道路に2m以上接しなければならないという、建築基準法第43条にもとづく決まりです。
これを満たさないと、建築許可が下りないため注意が必要です。
田んぼ用のため池は水上太陽光発電で有効活用!
使用されない田んぼが増えることで、灌漑やため池の維持管理にかかる費用負担が増加しています。こうした課題に対する新たな活用策として注目されているのが「水上太陽光発電」です。
出典:環境省「水上太陽光発電所の現状及び環境影響について」(http://assess.env.go.jp/files/0_db/contents/4643_10/siryou_2_9.pdf)
【環境破壊を抑制】水上太陽光発電のメリット
以下では、水上太陽光発電がもたらすメリットについて紹介します。
土地の造成や木々の伐採が不要
水上太陽光発電は、水面に浮体(フロート)を設置し、その上に太陽光パネルを配置する仕組みです。これにより、土地の整地や伐採などの作業を行わずに設置を進められるケースが多く、環境への影響を抑えやすい点が注目されています。
設置工事の期間が短い
水上太陽光では、モジュール式で組み立て済みものを使用します。そのまま設置・接続するだけで稼働可能になるため、施工期間が短縮される可能性があり、導入のしやすさが期待できます。
陸よりも発電効率を維持しやすい
水上太陽光は、周囲に樹木などの遮るものが少なく反射光も活用できるため、効率よく太陽光を取り込み、発電効率の維持につながる可能性があると期待されています。また、水上太陽光発電では水面で自然に冷却されるため、発電効率の低下を抑えることが可能です。
水上太陽光発電は、日照条件と温度環境の両面で有利なため、高い発電効率が期待できます。
藻類の繁殖を抑えて水質を改善できる
水辺では藻類が太陽光を受けて過剰に繁殖し、水の汚濁や悪臭の発生につながることがあります。水上に太陽光パネルを設置することで、水面に届く日光を抑えられ、藻類の過剰な繁殖を防ぐことが期待できます。
結果として、設置場所となる池やダムにおける水質の悪化を防げる可能性があります。
シエル・テール・ジャパンでは、お客様のご要望に応じて、柔軟性かつ透明性の高いお見積もり内容を心がけております。ぜひ水上太陽光発電のお見積もりのご依頼をお待ちしております。
まとめ
使わない田んぼを放置すると、固定資産税の増加や資産価値の低下など、さまざまなリスクが生じます。しかし、視点を変えると、遊休農地は新たな価値を生み出すチャンスと捉えられます。
近年注目されているのが、ため池を活用した「水上太陽光発電」です。水面に太陽光パネルを浮かべることで、未利用の土地を収益化でき、自然環境にも優しく、発電効率も高く保てます。
シエル・テールは水上太陽光発電のパイオニアとしてグローバルに活動し、製品・アンカー・プロジェクト設計における強力な研究開発能力で、信頼性と耐久性に優れた水上太陽光ソリューションを提供しています。
設計から施工だけでなくO&M業務徹底し、さまざまな独自のメンテナンスプログラムメニューを行っています。水上太陽光発電をご検討の際は、ぜひ当社にご相談ください。
水上太陽光発電にご興味をお持ちの方は、ぜひ一度お問い合わせください。
シエル・テール・ジャパンでは、水上太陽光発電所の開発から稼働までを提供しています。
現場での経験と知識を持って対応します。