1MW以上の大規模な太陽光発電施設のメガソーラーは、安定した売電収入を得られる一方、環境破壊が課題となりがちです。本記事では、メガソーラーのメリットやデメリット、課題をクリアしやすい水上太陽光発電について紹介します。
本記事では、パワコンの役割や寿命、設置場所、選び方について詳しく解説します。システムの取り付けを検討していて、安全かつ効率的に運用したい方は、ぜひ参考にしてください。
メガソーラーとは
メガソーラーとは、1MW(メガワット)以上の大規模な太陽光発電設備のことを指します。一般住宅の屋根に設置される小規模な太陽光発電とは異なり、企業や自治体などが主に売電を目的として運用するケースが一般的です。
設置場所は、山間部や耕作放棄地、工場跡地などの広大な遊休地に加え、近年では「水上」に設置するケースも増えています。 1MWの出力を持つメガソーラーでは、1年間で約100万kWh(キロワットアワー)の電力を発電できます。これは、おおよそ320世帯が1年間に使用する電力量に相当します。
メガソーラーの導入が進んだ背景には、2012年7月から開始された「固定価格買取制度(FIT)」の収益性の高さや、東日本大震災後を機に原発依存を見直す動きがありました。
近年は、地球温暖化対策の一環として再生可能エネルギーの導入が重視されており、国や自治体による補助制度や規制整備も進められています。
シエル・テール・ジャパンは、持続可能な世界のために、水上太陽光を世界中で不可欠なエネルギー源にすることを目指しています。水上太陽光発電をご検討中の方は、ぜひお気軽にお問い合わせください。
メガソーラーの設置場所と必要面積
メガソーラーを設置するには、かなり広い土地が必要です。環境省によると、 の面積が必要とされています。
以下では、太陽光発電の設置場所の候補となる、地上・建物の屋上・水上について特徴を紹介します。
出典:環境省「PPA等の第三者所有による太陽光発電設備導入の手引き」(https://www.env.go.jp/content/000118595.pdf)
地上
地上への設置では、使われていない空き地や埋立地、農業が行われなくなった土地(耕作放棄地)などを有効活用できます。地面に設置するため、パネルや機器を運び入れやすく、設置工事がスムーズに進みます。
また、機器が地上にあることで、点検や修理などのメンテナンスがしやすい点もメリットです。
建物の屋上
工場や倉庫などの建物の屋上を使用し、太陽光パネルを設置することも可能です。広い土地が確保しにくい場所でも、屋上を有効活用できます。
屋上設置は、顧客や取引先から目に見える形で環境配慮をアピールできるほか、日差しを遮ることで夏の室内温度の上昇を抑えられるメリットがあります。ただし、屋根の上にパネルを載せるため、建物自体がパネルの重さに耐えられるかの確認が必要です。
水上
太陽光発電の設置方法として、ため池や湖の水面に太陽光パネルを浮かべる「水上太陽光発電」も注目されています。「水上ソーラー」や「フロート式太陽光発電」とも呼ばれており、土地を使わずに発電できるのが大きな特徴です。
土地を整備する必要がないため、造成工事や伐採の手間・コストを抑えられるのが大きなメリットです。また、建物の強度や構造を気にする必要もありません。さらに、水によってパネルが自然に冷やされるため、高温による発電効率の低下を抑えやすく、安定した発電が期待できます。
ただし、地上や屋上に比べて技術的に発展途上の設置方式であるため、対応可能な施工業者が非常に少ないのが現状です。設置を検討する際は、水上設置に特化した実績のある業者に相談することが大切です。
シエル・テール・ジャパンは、業界で最も長い歴史を持つ水上太陽光のパイオニアとして、これまで蓄積された知見や経験により、信頼性の高いサービスを提供しております。設計から施工、保守管理まで、高品質の技術力をお約束いたしますので、ぜひ安心してお任せください。
【日本・世界】メガソーラーの普及状況
日本は、国土に対して太陽光発電の導入が非常に多く、とくに平地1㎢あたりの設備容量は世界トップクラスです。実際、2位のドイツと比べても2倍以上の密度で太陽光設備が設置されています。
出典:経済産業省資源エネルギー庁「太陽光発電の政策動向について(長期安定電源化の取組を中心に)」(https://www.jpea.gr.jp/wp-content/uploads/sw2024_seminar5_doc1.pdf)
一方で、日本の平地面積は国土面積に対して34%しかなく、他国と比べて太陽光発電の設置に適した平らな土地の確保が難しくなりつつあります。そのため、今後は工場やビルの屋上、使われていないため池など、これまで活用されてこなかった場所をどう使っていくかが、太陽光発電のさらなる普及にとって重要なカギになります。
メガソーラーのメリット
メガソーラーを導入することで、使われていない場所を有効に活用できるだけでなく、税制上の優遇措置を受けられる場合や、安定した売電収入が期待できるといったメリットがあります。
ここでは、地上・建物の屋上・水上いずれの設置方法にも共通する、メガソーラー導入の代表的なメリットを3つ紹介します。
パワコンの取り付け場所は、発電効率や安全性などに大きく影響するため慎重に選ぶことが大切です。
以下では、場所における特徴について解説します。
売電収入を得られる【FIT・FIP制度】
メガソーラーのような大規模な太陽光発電設備は、発電できる電気の量が多く、その電気を売ることで安定した収益を得られるのが大きな魅力です。これまでは「FIT制度(固定価格買取制度)」を利用するのが一般的でした。
FIT制度とは、発電した電気を一定の価格・期間で電力会社が買い取ってくれる仕組みです。固定収入を得られる反面、電力需要に関係なく買い取られるため、発電のタイミングによっては市場のニーズと見合わなくなるデメリットがありました。
この課題を解消するため、2022年4月から 「FIP(Feed-in Premium)制度」が導入されました。FIP制度 は、電気の市場価格に応じて収入が変動し、そこにプレミアム(補助金)が上乗せされる仕組みになっています。発電のタイミングや売電の戦略を工夫すれば、より高い収益を得られる可能性が広がります。
税制の優遇措置を受けられる
メガソーラーの設備を導入する際に、税金の面でサポートを受けられる場合があります。たとえば「中小企業経営強化税制」は太陽光発電などの特定の設備を導入した際に税額控除か即時償却の支援が受けられます。
・税額控除:設備費用の税額を最大10%控除
・即時償却:設備費用を事業初年度に経費として一括計上できる
上記のいずれかを選択できるため、金銭的負担を大きく減らすことができます。
出典:中小企業庁「中小企業経営強化税制」(https://www.chusho.meti.go.jp/keiei/kyoka/kyoka_zeisei.html)
使っていない土地を有効活用できる
使われなくなった農地や傾斜地で、太陽光パネルを設置すると、収益を生み出す土地へと生まれ変わらせることが可能です。これまで維持費や固定資産税だけがかかっていた土地が、電気を生む収益資産になることで、資産価値が高まる可能性もあります。
メガソーラーのデメリット・課題
一方、地上や建物の屋上設置には、いくつかの課題やデメリットも存在します。
環境破壊を引き起こすおそれがある
メガソーラーは広い敷地を必要とするため、森林伐採や大規模な造成工事をともなうことがあり、自然環境への影響が懸念されます。たとえば、山の斜面に太陽光パネルを設置した場合、地盤が弱くなり、大雨の際に土砂災害が発生するリスクが高まります。
また、森林を削ることで動植物の生息環境が失われ、生態系のバランスが崩れる可能性もあります。
災害の影響を受けやすい
メガソーラーは屋外に設置されるため、自然災害の影響を受けます。強風や豪雨、土砂災害などにより、機器の故障や発電効率の低下を招くことがあります。実際に2019年の台風15号では、千葉県市原市で設置されていた太陽光パネルの約77%が飛散・破損し、一部は発火により焼損しました。
近年は、これまでの想定を超える規模の災害が増えているため、災害リスクを見越した設計や強度ある施工が重要です。
出典:経済産業省「近年の電気設備自然災害等への対応について」(https://www.meti.go.jp/shingikai/sankoshin/hoan_shohi/denryoku_anzen/pdf/025_02_00.pdf)
住民とのトラブルが発生する可能性がある
メガソーラーの導入にあたっては、地域住民との関係性にも気を配ることが大切です。近年は、再生可能エネルギー施設の建設にともなう環境破壊や景観悪化に不安を抱く住民 が増え、住民トラブルに発展するケースが見られます。
実際、地域における再生可能エネルギー利用の実態と課題の調査によると、全国の約36.5%の市区町村が再生可能エネルギー設備に関するトラブルを経験しています。とくに、事前の説明が不十分な場合、事業者に対する不信感を招きかねません。
出典:山下英俊、藤井康平「地域における再生可能エネルギー利用の実態と課題」『一橋経済学』12巻1号 2021年12月(https://hermes-ir.lib.hit-u.ac.jp/hermes/ir/re/73183/keizai0120100670.pdf)
こちらの記事では、水上太陽光発電について詳しく解説しています。
従来のデメリットを解消!水上太陽光発電のメリットは?
地上や建物の屋上に設置するメガソーラーには、自然環境への影響や災害時のリスク、地域の方との関係性といった課題があります。こうした課題に対する新たな解決策として、近年注目されているのが「水上太陽光発電」です。
水上太陽光発電は、地上設置では対応が難しかったこれらの課題に対し、改善が期待できる方式として導入が進みつつあります。
出典:環境省「水上太陽光発電所の現状及び環境影響について」(http://assess.env.go.jp/files/0_db/contents/4643_10/siryou_2_9.pdf)
土地の造成や森林の伐採が必要ない
水上太陽光発電では、ため池やダム、貯水池など、すでに存在している水面を活用して設備を設置します。そのため、あらたに土地を造成したり、自然の地形を大きく変更したりする必要がない点が特徴です。
また、設置の際に森林を伐採したり、山を切り開いたりする工程がないため、自然環境への影響を抑えることにつながる可能性があるという点でも注目されています。
設置にかかる時間が短い
水上太陽光発電では、フロートなどの設備を工場であらかじめ組み立てておき、現地で効率的に設置できるモジュール方式が主流です。そのため、設置期間の短縮が見込めることから、スムーズな導入が可能になるケースもあるとされています。
また、水上設置ではパネルがフロートでしっかりと水面に固定されており、風の影響を受けにくい構造になっています。さらに、人目につきにくい場所に設置されることが多いため、景観や騒音といったトラブルが発生しにくいです。
陸に比べて発電効率がよい
水上設置は、周囲に樹木などの遮るものが少なく反射光も活用できるため、効率よく太陽光を取り込み、発電効率の維持につながる可能性があると期待されています。また、水上太陽光発電では水面で自然に冷却されるため、発電効率の低下を抑えることが可能です。
水上太陽光発電は、日照条件と温度環境の両面で有利なため、地上設置のメガソーラーと比べて高い発電効率が期待できます。
藻類の繁殖を抑えて水質を改善できる
水辺では藻類が太陽光を受けて過剰に繁殖し、水の汚濁や悪臭の発生につながることがあります。水上に太陽光パネルを設置することで、水面に届く日光を抑えられ、藻類の過剰な繁殖を防ぐことが期待できます。
結果として、設置場所となる池やダムにおける水質の悪化を防げる可能性があります。
メガソーラーのメリット
メガソーラーを導入することで、使われていない場所を有効に活用できるだけでなく、税制上の優遇措置を受けられる場合や、安定した売電収入が期待できるといったメリットがあります。
ここでは、地上・建物の屋上・水上いずれの設置方法にも共通する、メガソーラー導入の代表的なメリットを3つ紹介します。
パワコンの取り付け場所は、発電効率や安全性などに大きく影響するため慎重に選ぶことが大切です。
以下では、場所における特徴について解説します。
売電収入を得られる【FIT・FIP制度】
メガソーラーのような大規模な太陽光発電設備は、発電できる電気の量が多く、その電気を売ることで安定した収益を得られるのが大きな魅力です。これまでは「FIT制度(固定価格買取制度)」を利用するのが一般的でした。
FIT制度とは、発電した電気を一定の価格・期間で電力会社が買い取ってくれる仕組みです。固定収入を得られる反面、電力需要に関係なく買い取られるため、発電のタイミングによっては市場のニーズと見合わなくなるデメリットがありました。
この課題を解消するため、2022年4月から 「FIP(Feed-in Premium)制度」が導入されました。FIP制度 は、電気の市場価格に応じて収入が変動し、そこにプレミアム(補助金)が上乗せされる仕組みになっています。発電のタイミングや売電の戦略を工夫すれば、より高い収益を得られる可能性が広がります。
保証期間
前項でも解説したように、太陽光パネルの寿命が20~30年であるのに対し、パワコンの寿命は10~15年程度です。そのため、太陽光パネルの寿命までに、1・2回は修理や買い替えが必要となります。
そこで、選ぶ際には、保証の有無や期間についても確認しておきましょう。また、保証が切れた後の修理代や買い替え費用についても、あらかじめ確認しておくことをおすすめします。
シエル・テール・ジャパンでは、お客様のご要望に応じて、柔軟性かつ透明性の高いお見積もり内容を心がけております。
ぜひ水上太陽光発電のお見積もりのご依頼をお待ちしております。
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まとめ
メガソーラーは、使われていない土地を活用して大規模な電力を生み出せる設備です。安定した売電収入や税制優遇などのメリットも大きく、多くの企業にとって魅力的な設備といえます。
一方で、森林伐採や土地造成にともなう環境への影響、台風などによる災害リスク、さらには地域住民とのトラブルといった課題があることも事実です。こうしたなかで、近年注目されているのが「水上太陽光発電」です。
ただし、現時点では対応できる施工業者が限られており、導入には専門性と実績を持つ業者選びが重要です。
シエル・テールは、水上太陽光発電のパイオニアとして、世界で初めて水上太陽光発電用架台システムを展開した水上架台フロートメーカーです。14年以上にわたる経験をもとに、安全性を考慮したフロート作りとアンカー設計など、実運用に耐える高品質な設計・施工を実現しています。
EPCだけでなく、設備の運用管理を行うオペレーションやマネージメントまでを、数々の実績をもとに、一貫して自社で行えるためより納得のいく施工が可能です。水上太陽光発電の導入をご検討中の方は、ぜひ一度ご相談ください。
シエル・テール・ジャパンでは、水上架台フロートやアンカー設計、EPC、オペレーション&マネージメントなどのサービスを提供しており、水上太陽光発電の導入をサポートいたします。日本のみならず、世界中の水上太陽光発電プロジェクトを成功させており、水上太陽光発電のパイオニア的存在として、ソリューションを構築・提供しています。
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