太陽光発電とは、太陽の光を利用して電気を作る発電方法です。エネルギー源がなくならないことや、余った電力を売ることで収入を得られることが大きなメリットです。また、太陽光発電には節税効果も期待できます。
本記事では、法人向けに太陽光発電を活用した節税方法をわかりやすく解説します。興味のある方は、ぜひ最後までご覧ください。
太陽光発電の節税に関する事前知識
太陽光発電の設置によって節電効果が期待できますが、事前に知っておきたい知識がいくつかあります。以下では、太陽光発電の種類、および太陽光発電にかかる各種税金について解説するため、順番にチェックしていきましょう。
太陽光発電の種類
太陽光発電には「自家消費型」と「全量売電型」の2種類が存在し、発電の目的や特徴が異なります。以下でそれぞれ解説します。
自家消費型
自家消費型とは、発電した電気を自社施設で利用することを目的とした発電方法です。売電を目的としないため直接的収入は得られませんが、電力会社から電気を買う必要がなく電気料金を削減できます。
昨今は、ロシアによるウクライナ侵攻をはじめ、さまざまな世界情勢が要因で電気代が高騰しています。しかし、自家消費型の太陽光発電があれば、発電した分だけ電気代が抑えられます。
また、災害に対する備えになる点も強みと言えます。日本は世界有数の災害大国です。地震や台風の発生は決して珍しいものではなく、災害が発生した際ライフラインがストップするケースもあります。
しかし、自家消費型の太陽光発電によって発電ができれば、停電したときも電気の使用が可能です。
全量売電型
全量売電型は、発電した電力をすべて売却することを目的としています。設備容量50kWh以上の太陽光発電が対象とされており、産業用太陽光発電とも呼ばれています。
売電価格は固定価格買取制度によって決められ、一定期間変動することなく売電できるため安定した収入が見込めます。また、規模が大きく、投資回収も比較的早い段階で終割る傾向にあります。
固定価格買取制度とは、太陽光発電をはじめとする再生可能エネルギーによって生み出した電気を、一定の価格で電力会社が買い取る制度です。
FIT制度とも呼ばれ、再生可能エネルギーの普及の促進を目的に制定されました。単価が一定のため、収入の見通しが立ちやすい点がメリットですが、近年は、太陽光発電の設置におけるコストが低下しており、それにともない売電単価も下落しています。
太陽光発電にかかる税金
太陽光発電を設置するにあたってかかる税金の一覧は、次のとおりです。
- 法人税
- 法人住民税
- 固定資産税
- 売却資産税
以下で、それぞれ詳しく解説します。
法人税
法人税とは、法人が得た所得に対して課される税金のことです。法人税が課される対象として、株式会社に代表される普通法人や協同組合、学校法人などが挙げられます。
全量売電型の太陽光発電を設置している場合、売電によって収入を得ていることから事業とみなされ、法人税の課税対象となります。一方、設置しているのが自家消費型の太陽光発電かつ発電した電気をすべて自社で消費している場合は、法人税の課税対象にはなりません。
法人住民税
法人住民税とは、事業所が存在する地方自治体に対して、法人が納めなければならない税金のことです。公的サービスの費用負担が目的で、正確には都道府県民税と市町村民税を合わせたものを「法人住民税」と呼びます。 法人税と混同されやすいですが、法人税は会社の所得に対する税金であり、事業年度の課税所得額によって金額が決まるのが特徴です。一方の法人住民税は、法人税額や従業員数などの要素によって納める税金の金額が決まります。
固定資産税
固定資産税とは、土地や家屋、備品などの償却資産にかかる税金のことです。地方税の1種で、固定資産税が所在する市町村に市町村税として納税しますが、東京都の23区は東京都に対する都税として納めます。 太陽光発電は太陽光パネルや送電設備などで構成されていますが、すべて償却資産とみなされるため、固定資産税を納めなければなりません。なお、償却資産の法定耐用年数の間は継続して納めることになります。 たとえば、全量売電型の太陽光発電の法定耐用年数は17年 であり、17年間にわたって固定資産税を納めなければなりません。
償却資産税
償却資産税とは、企業が有する土地や家屋以外の機材や設備にかかる税金のことです。償却資産税が発生するのは償却資産の評価額の合計が150万円以上 になったときのため、150万円を下回った場合は免税になります。 ただし、150万円以下でも償却資産が存在する自治体への申告は必須です。
太陽光発電の減価償却の計算方法
太陽光発電を導入した場合、法定耐用年数に従って減価償却が可能です。減価償却とは、固定資産の購入費用を使用可能期間にわたって分割して費用計上する会計処理を指します。 減価償却によって経費が増えると、利益額を抑えられるため、課税額を減らすことが可能です。減価償却の計算方法は2種類あり、それぞれの詳しい手順は以下のとおりです。
定額法
定額法とは、毎年一定額を減価償却する計算方法です。計算がシンプルな点がメリットですが、節税効果が限定的というデメリットもあります。具体的な定額法の計算式は、以下のとおりです。 減価償却費=購入金額×定額法償却率 定額法償却率は、国税庁 の公式サイトで公開されています。定額法償却率は償却資産の耐用年数によって異なっており、耐用年数17年の太陽光発電の場合、定額法償却率は0.059 です。 上記の情報をもとに、太陽光発電を600万円で購入したときの減価償却費は、600万円×0.059=35万4,000円となります。なお、定額償却率は取得した年度によって数値が異なるため、注意が必要です。
定率法
定率法とは、一定の割合で算出した額を減価償却する計算方法です。購入した最初の年度に減価償却費を多めに計上することで、購入直後の利益を下げられます。 定率法の計算式は、以下のとおりです。 減価償却費=購入金額×定率法償却率 定額法償却率と同じく、定率法償却率も法定耐用年数によって異なります。耐用年数17年の太陽光発電の場合、定率法償却率は0.118 です。 上記の情報をもとに、600万円で太陽光発電を購入したときの減価償却費を算出すると、600万円×0.118=70万8,000円となります。 なお、2年目以降は、償却資産を購入した金額から初年度に算出した減価償却費を引いたものに定率法償却率0.118をかけます。(600万円-70万8,000円)×0.118=62万4,456円となり、減価償却費が下がります。
太陽光発電の具体的な節税対策3選
太陽光発電を導入するにあたって、さまざまな税金を納めなければなりません。しかし、以下の対策によって、納める税金の金額を抑えることが可能です。
設備投資として経費計上する
太陽光発電の節電対策の1つとして、設備投資として経費計上することが挙げられます。経費とは、事業において収益を得るために使用した費用のことです。 経費に計上できる費用として、通信費や旅費交通費、消耗品費などが挙げられます。そして、太陽光発電を設置する際に支払う費用も、経費計上が可能です。 事業にかかる税金は、収益から経費を引いた事業所得によって決まります。経費が増えれば、その分納める税金の金額も減らせるため、節税効果が期待できます。
税制優遇制度を活用する
節税対策として、税制優遇制度の活用も有効です。太陽光発電を設置する際に使用できる代表的な税制優遇制度として、以下の3つが挙げられます。
- 中小企業経営強化税制
- 中小企業投資促進税制
- カーボンニュートラル投資促進税制
カーボンニュートラル投資促進税制は、脱炭素化の実現を促進することを目的とする優遇制度で太陽光発電システムも対象となり、税額控除や特別償却の措置が受けられます。
中小企業経営強化税制と中小企業投資促進税制は、即時償却または税額控除が受けられることで節税ができます。税制優遇制度は、それぞれ該当する太陽発電の種類や適用条件が異なるため、事前に確認が必要です。
また、改訂によって期限の延長や内容の追加、変更などが発生する可能性があるため、適宜公式サイトで最新の情報をチェックしておきましょう。
出典:国税庁「中小企業経営強化税制」
出典:国税庁「中小企業投資促進税制」
出典:国税庁「カーボンニュートラルに向けた投資促進税制」
消費税の還付制度を活用する
そのほかの節税対策として、消費税の還付金制度の活用も挙げられます。太陽光発電の設備を導入するにあたって、消費税が発生しますが、その消費税が売電収入の消費税よりも多い場合、消費税が還付されます。
ただし、消費税の還付制度が利用できるのは、事業開始初年度だけです。また、対象となるのは全量売電型の太陽光発電を導入した場合のみで、自家消費型の場合は消費税還付は受けられません。さらに、課税事業者であることも、条件となるため注意が必要です。
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まとめ
以上、太陽光発電の概要をはじめ、導入の際にかかる税金や節税対策について解説しました。昨今は、企業イメージを向上させるために、太陽光発電などのクリーンエネルギーを導入する企業が増えています。
太陽光発電の導入には依然として費用がかかりますが、税制優遇制度を活用することで、節税しながら太陽光発電の導入を目指すことができます。
シエル・テール・ジャパンは、持続可能な世界のために、水上太陽光を世界中で不可欠なエネルギー源にすることを目指し、日本で唯一大型パネルに対応した水上架台フロートに成功しました。
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