産業用太陽光発電は、企業向けの発電システムで、出力が10kW以上が一般的です。2024年度の導入費用は約24.6万円/kWとなっており、売電価格の下落傾向にありますが、自家消費型へのシフトにより投資回収が可能です。
電気料金の高騰や脱炭素経営への対応が求められる中、産業用太陽光発電への関心が急速に高まっています。売電価格は年々下がっているものの、自家消費型の導入や設備コストの削減が進んでおり、今からの導入でも十分に投資回収が期待できる状況です。
本記事では、産業用太陽光発電の基本情報から、費用構造、最新の市場動向、そしてさまざまな設置形態に関する情報を提供し、企業が導入を検討する際に役立つ内容を解説します。
産業用太陽光発電とは?
産業用太陽光発電は、企業が工場や倉庫、商業施設、遊休地に設置する10kW以上の発電システムです。家庭用と異なり、主に売電収益や事業用電力の自給自足、BCP対策、環境経営が目的となります。
さらに近年では、ため池や調整池などの水上に設置する水上太陽光発電も注目を集めています。
産業用太陽光発電と家庭用太陽光発電の違い
産業用と家庭用太陽光発電には、出力規模や制度面で重要な違いがあります。以下の表で、それぞれの特徴を比較します。
産業用太陽光発電は、規模が大きく、設置場所や運用面でも多様性があります。そのため、定期的なメンテナンスや事業計画の提出が求められる一方で、法人税や固定資産税の対象となり、税制優遇措置を活用できる場合もあります。
一方、家庭用太陽光発電は、設置場所が限られているものの、運用面での負担が少なく、個人向けの税制が適用されます。
産業用太陽光発電は個人でも導入できる?
産業用太陽光発電は、一定の条件を満たせば個人でも導入可能です。
ただし、いくつかの注意点があります。売電収入は事業所得として扱われ、確定申告が必須です。初期投資も10kW~50kW規模で数百万円から数千万円が必要となります。
運用面では、設備の保守やメンテナンス、定期点検が求められ、FIT制度利用時にはフェンス設置や標識掲示も義務となります。さらに、20年の長期事業となるため、設備トラブルや撤去費用の積立も計画に組み込む必要があります。
出典:資源エネルギー庁「FIT制度に基づく標識及び柵塀等の設置義務に関するお知らせ(注意喚起)
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産業用太陽光発電を導入するメリット
産業用太陽光発電の導入には、コスト削減から企業価値の向上まで、多岐にわたるメリットがあります。
電気代の削減につながる
最も大きなメリットは、電気代の削減です。2024 水準に達し、多くの企業がエネルギーコストの見直しを迫られています。
太陽光発電を導入すれば、日中の事業用電力を自社でまかなえるため、電力会社からの購入量を大きく減らすことが可能です。工場・倉庫・商業施設などでは、年間で数十万円から数百万円 単位で節約できることもあります。
さらに、自家消費分は燃料費調整額や再エネ賦課金の影響を受けないため、中長期的なコストの安定化にも貢献します。また、土地の制約がある企業でも、水上設置を活用することで大規模な発電設備の導入が可能になり、電気代削減効果をさらに高めることができます。
売電収入を得られる
発電した電力を自家消費せずに余らせた場合、その分を電力会社へ売電して収益を得ることができます。
2022年度からはFIP制度も導入され、市場価格に連動して売電価格が変動します。市場価格が高騰する時間帯に売電することで、FIT制度よりも高い収益を得られる可能性があります。
ただし、売電価格は年々低下しており、2012年の40円/kWhから2024年には10円/kWhまで下落しています。そのため、現在では昼間に自家消費し、余剰分のみを売電するハイブリッド運用が経済的に優れた選択肢となっています。
出典:資源エネルギー庁「再エネを日本の主力エネルギーに!「FIP制度」が2022年4月スタート」
災害時の非常用電源として使える
産業用太陽光発電は、災害時のBCP(事業継続計画)対策としても有効です。停電が発生しても日中であれば発電によって最低限の電力を確保でき、照明や通信機器、冷蔵設備などへ電力供給が可能です。
また、蓄電池を併設すれば、昼間に発電した電力を蓄えて夜間や天候不良時にも使用できます。一般的なディーゼル式の非常用発電機は最長72 時間程度の稼働に限られますが、太陽光発電は天候が回復すれば繰り返し発電できるため、長期停電時にも安定した電力確保が可能です。
なお、水上設置の場合、周囲に障害物が少ないため安定した発電が期待でき、災害時のBCP対策としても有効です。
税制優遇を受けられる
産業用太陽光発電の導入には、さまざまな税制優遇措置があります。設備は減価償却資産として扱われ、法定耐用年数17 年で取得価格を経費計上できます。
完全自家消費型の設備なら、中小企業経営強化税制で即時償却または最大 の税額控除が受けられます。中小企業投資促進税制では、30% が適用されます。
さらに、カーボンニュートラル投資促進税制では、炭素生産性の向上に応じて、5% %の税額控除または50%の特別償却が適用されます。これらを活用することで、実質的な初期投資額を大幅に圧縮できます。
出典:財務省 「減価償却資産の耐用年数等に関する省令」
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脱炭素経営やESG経営を対外的にアピールできる
産業用太陽光発電の導入は、企業の環境対応力を対外的にアピールする強力な手段となります。大手企業はサプライチェーン全体での脱炭素化を求めており、脱炭素への取り組みが取引継続の前提条件となりつつあります。
2023年4月に改正された省エネ法では、年間1,500kl以上のエネルギーを使用する約12,000 社の企業に、CO2排出ゼロのエネルギー導入を義務付けています。
また、金融機関や投資家もESG経営に積極的な企業を優先的に評価する傾向が強まっています。CO2削減目標を掲げ、再生可能エネルギーを導入する企業は、融資や投資審査で有利になることが増えています。
とくに水上太陽光発電は、未利用の水面を活用した革新的な取り組みとして、ESG経営のアピールポイントになります。
出典:資源エネルギー庁 「2023年4月施行の「改正省エネ法」、何が変わった?」
出典:資源エネルギー庁 「事業者向け省エネ関連情報 省エネ法の概要 」
こちらの記事 では、ESG投資と太陽光発電の相性について解説しています。
導入のメリットや注意点も取り上げているため、ぜひあわせてご覧ください。
売電価格が下落中?産業用太陽光発電ビジネスの現状
産業用太陽光発電への投資検討で多くの経営者が気にするのが「今から始めても収益性はあるのか」という点です。売電価格の推移と導入費用の動向から現在の市場状況を分析します。
産業用太陽光発電のFIT価格の推移
FIT制度が始まってから、産業用太陽光発電の買取価格は大きく下がっています。こちらの表では、設備の規模別に買取価格がどのように変動してきたかを見ていきます。
政府は2028年までに太陽光発電コストを7円/kWh にする目標を立てており、今後も買取価格はさらに下がる可能性があります。以前のように高い売電収入を期待するのは難しくなってきているのが現状です。
出典:資源エネルギー庁 「買取価格・期間等(2012年度~2024年度)FIT・FIP制度」
出典:資源エネルギー庁 「太陽光発電について」
出典:資源エネルギー庁 「再生可能エネルギーの自立化について」
導入費用は年々下がっている
産業用太陽光発電の導入費用は、年々大きく低下しています。以下の表では、太陽光パネルやパワーコンディショナーなどの価格の推移を示します。
太陽光パネルは、2013年度の21.2万円/kWから2024年度には8.6万円/kWと、11年間で60%以上のコスト削減が実現しています。また、パワーコンディショナーは約43 %の低下、システム全体では36 %の削減となりました。
さらに、技術革新による発電効率の向上も見逃せません。太陽光パネルの変換効率は1990年代には10%台でしたが、現在では20%を超える 製品が一般的です。売電価格の低下と導入費用の低減を総合的に判断すると、現在でも適切な事業計画のもとで初期投資の回収は十分に可能です。
水上太陽光発電は、水の冷却効果により発電効率が向上するため、自家消費型においても高い経済性が期待できます。
出典:資源エネルギー庁 「太陽光発電について」
これから産業用太陽光発電を始めても大丈夫?
売電価格が下がっている今、「導入しても意味があるのか」と感じる方もいるかもしれません。 しかし結論としては、導入の目的と運用方法を見直せば、十分に投資回収が可能です。
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売電メインから自家消費メインへ
産業用太陽光発電のビジネスモデルは、今まさに大きな転換期を迎えています。これまで主流だったのは、発電した電力をすべて電力会社に売る「全量売電型」で、固定価格での買取による収益を目的としていました。
しかし近年は、売電価格が年々下がる一方で、購入電力の単価が上昇し続けています。
こうした状況を背景に注目されているのが「自家消費型」です。これは、太陽光で発電した電力をまず自社で使用し、余った分だけを売電する運用方法です。
以下の表は、自家消費型と売電型を比較し、それぞれの経済的な特徴をまとめたものです。
自家消費型では、電力会社から購入する電気の単価(20円~25円 /kWh)と比較して、FIT価格(9.2円~12円/kWh)はかなり低いため、自社で消費した方が経済的メリットが大きいことが分かります。
また、太陽光発電のコストが電力会社からの購入単価と同等、もしくはそれ以下になる状態を「グリッドパリティ」と呼びます。日本ではすでにこのグリッドパリティが実現しつつあり、自家消費による電気代削減の効果を最大限に発揮できる環境が整っています。
市場動向を見ても、自家消費型の比率は確実に増加しています。2019年度には産業用太陽光発電市場の約30% が自家消費型でしたが、2030年度には60% が自家消費型になると予測されています。
このように、産業用太陽光発電の主流は売電から自家消費へと確実にシフトしています。
蓄電池の設置もおすすめ
自家消費型太陽光発電の経済性を最大化するには、蓄電池の導入が非常に効果的です。太陽光発電の課題は、夜間や天候の悪い日に発電できない点にあります。
蓄電池を併設することで、昼間に発電した電力を蓄えておき、夜間や発電量が少ない時間帯に使用することが可能になります。これにより、自社で発電した電力をより多く活用でき、自家消費率の大幅な向上が期待できます。
蓄電池を併設することで、自家消費率が2倍近くに向上します。また、デマンド管理の観点からも蓄電池は有効です。ピーク時間帯に蓄電池から電力を放電することで、最大需要電力を抑制でき、高圧受電契約の施設では基本料金の削減も期待できます。
さらに、災害時のBCP対策として、蓄電池に貯めた電力で数日間は事業を継続できる体制を構築することができます。
政府も蓄電池の普及を後押ししており「ストレージパリティの達成に向けた太陽光発電設備等の価格低減促進事業」などの補助金制度が整備されています。
初期投資は増えますが、長期的な経済性とエネルギー自給率の向上を考えると、蓄電池の併設は十分に検討する価値があります。
こちらの記事 では、太陽光発電の今後について解説しています。直面する課題や打開策も取り上げているため、ぜひあわせてご覧ください。
産業用太陽光発電の導入にかかる費用
産業用太陽光発電を導入する際、最も気になるのは「いくらかかるのか」という点でしょう。初期費用から維持費、税金、撤去費用まで、コストの全体像を解説します。
初期費用
産業用太陽光発電の初期費用は、主に機器費用と工事費用で構成されます。機器費用には、太陽光パネル、パワーコンディショナー、架台、接続機器などが含まれ、とくに太陽光パネルが最も大きな割合を占めます。
工事費用には設置工事費、電気工事費、土地造成費、接続費などが含まれ、設置場所や条件によって大きく変動します。とくに、屋根設置か地上設置か、さらには設置場所の条件(地盤や屋根の強度)によっても費用が大きく異なります。また、設計や申請代行費用も発生します。
主な費用項目と概要
● 機器費用:太陽光パネル、パワーコンディショナー、架台など
● 工事費用:設置工事費、電気工事費、土地造成費、接続費用など
● 設計・申請費用:設計費用、申請代行費用
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総額の目安は、設備の規模や設置条件によって大きく異なります。とくに水上設置や地盤が特殊な場合、屋根の補強が必要な場合などは、標準的な相場とは異なる費用構成となる可能性があります。正確な費用は、必ず個別見積もりで確認することが重要です。
工事費がかさむケースに注意
初期費用の中でとくに注意が必要なのが工事費用です。地上設置の場合、土地造成費が大きく変動し、傾斜地や未整備の土地では費用が増加します。土地造成費の平均は1.11万円/kW ですが、状態によっては4万円/kWを超えることもあります。
また、50kW以上の施設では、キュービクルの設置や改造に150万〜200万円 がかかることも。屋根設置でも耐荷重が不足していれば補強工事が必要です。
こうしたリスクを避けるためには、事前の現地調査と複数の見積もり取得が重要です。
出典:資源エネルギー庁 「太陽光発電について」
維持費
太陽光発電設備の導入後も、安定した発電を維持するために継続的なコストが発生します。定期点検・保守は年1〜2回実施され、FIT制度利用時には義務化されています。
維持費には、モニタリングサービス料、除草・清掃費用、保険料も含まれます。とくに、パワーコンディショナーは20年間の運用期間中に1回程度の交換が必要で、交換費用は数十万円程度です。
維持費の目安は年間3,000円/kW ですが、実際には約6,300円/kWかかるケースも多い です。例えば、50kWの設備では年間約15万〜30万円の維持費 が見込まれます。
出典:資源エネルギー庁 「事業計画策定ガイドライン(太陽光発電)」
出典:資源エネルギー庁 「太陽光発電について」
税金
産業用太陽光発電には、いくつかの税金が課されます。
● 法人税:売電収入や自家消費による経費削減効果が事業所得として課税対象。
● 固定資産税:太陽光発電設備が固定資産として評価される場合に課税。
● 償却資産税:事業用資産に対して課され、法定耐用年数は17年。
● 消費税:設備導入時に支払った消費税が還付される可能性があり、課税事業者選択届出書を提出することで、初期費用として支払った消費税と売電収入にかかる消費税の差額が還付される場合があります。
撤去にかかる費用
太陽光発電設備は、20年から30年 の運用期間後に撤去・廃棄が必要です。太陽光パネルには鉛や銀などの有害物質が含まれている場合があり、適切な処理が求められます。
2022年4月からは、廃棄等費用積立制度が義務化され、FITやFIP制度を利用する10kW以上の設備では、売電収入の一部を積み立てることが義務となりました。事業計画を立てる際には、20年後の撤去費用も考慮しておくことが重要です。
出典:資源エネルギー庁 「太陽光発電設備の廃棄等費⽤積⽴制度について」
産業用太陽光発電の初期費用を抑えるには
産業用太陽光発電の導入を検討する際、初期費用の大きさがハードルとなることは少なくありません。初期費用を抑えるための具体的な方法を紹介します。
低コストなパネルを選ぶ
太陽光パネルは初期費用の中で最も大きな割合を占めます。国内メーカー製は品質管理やアフターサポートが充実していますが、価格はやや高めです。対して、海外メーカー製、とくに中国製はコストパフォーマンスに優れ、世界市場で高いシェアを誇ります。
ロンジソーラーやジンコソーラー、トリナソーラーなどの海外大手メーカーは、品質面でも十分な性能を持ちながら価格面で優位性があります。 ただし、価格だけでなく、発電効率、耐久性、保証内容、販売会社のサポート体制も総合的に評価することが重要です。
なお、水上設置の場合は土地取得費が不要となるため、パネルの品質を重視した選択もしやすくなります。
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補助金を活用する
国や地方自治体では、再生可能エネルギーの普及を促進するためさまざまな補助金制度を設けています。補助金制度は年度ごとに内容が変更されるため、最新情報を公式サイトで確認し、早めに申請することが重要です。
ストレージパリティの達成に向けた太陽光発電設備等の価格低減促進事業
ストレージパリティの達成に向けた太陽光発電設備等の価格低減促進事業は、蓄電池併設型の太陽光発電設備の導入を支援するものです。令和6年度補正予算の公募は終了していますが、令和7年度以降は併設型蓄電池の導入に重点化される方向性が示されています。
出典:一般社団法人環境イノベーション情報機構 「二酸化炭素排出抑制対策事業費等補助金(民間企業等による再エネの導入及び地域共生加速化事業)ストレージパリティの達成に向けた太陽光発電設備等の価格低減促進事業 公募要領」
需要家主導型太陽光発電導入支援事業
需要家主導型太陽光発電導入支援事業は、需要家が主体となって再エネ導入を進めるUDAモデルの拡大を支援するものです。FIT制度やFIP制度によらない、新しい再エネ調達モデルとして注目されています。
出典:一般社団法人太陽光発電協会 「令和6年度予算需要家主導型太陽光発電導入支援事業」
税制優遇を活用する
補助金と並ぶ有効な手段が税制優遇措置です。以下の税制優遇を活用することで、初期投資を大幅に削減できます。
- 中小企業経営強化税制:完全自家消費型の設備に即時償却または最大10%の税額控除(適用期限:2026年度末)。
- 中小企業投資促進税制:30%の特別償却または最大7%の税額控除。
- 固定資産税の特例:中小企業等経営強化法に基づく認定設備に対して、固定資産税が一定期間軽減。
- カーボンニュートラル投資促進税制:炭素生産性向上率に応じて、5%~14%の税額控除、または50%の特別償却。
これらの税制優遇を活用するためには、事前の申請や要件の確認が必要です。手続きの詳細や適用条件については、税理士などの専門家に相談しながら進めることをおすすめします。
出典:中小企業庁 「中小企業経営強化税制」
出典:中小企業庁 「中小企業投資促進税制」
出典:中小企業庁 「固定資産税の特例(中小企業等経営強化法による支援)」
出典:経済産業省「カーボンニュートラルに向けた投資促進税制」
PPAモデルを活用する
PPA(Power Purchase Agreement)モデルでは、第三者が設備を所有・運用し、発電した電力を需要家に供給します。需要家は初期費用ゼロで、使用電力に応じた料金を支払います。
メリットは、初期費用がかからず、設備の保守・メンテナンスも事業者が行う点です。また、電力料金が割安になることが多いです。しかし、契約期間は10年~20年と長期で、中途解約時には違約金が発生する場合もあります。
産業用太陽光発電の設置形態
産業用太陽光発電には、設置場所や方法によっていくつかの選択肢があります。それぞれの特徴を理解し、自社の状況に最適な設置形態を選ぶことが重要です。
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屋根設置
屋根設置は、工場・倉庫・商業施設などの屋根に太陽光パネルを設置する方法です。既存の屋根スペースを活用できるため、新たに土地を取得する必要がありません。
【メリット】
- 遊休スペース(屋根)を有効活用できる
- 自家消費型との相性が良く、施設内に直接給電でき効率的
- 送電ロスが少なく、エネルギー利用効率が高い
- 屋根の遮熱効果により、夏場の冷房負荷を軽減できる
【注意点・デメリット】
- 屋根の耐荷重が重要で、不足している場合は補強工事が必要(数百万円規模になることも)
- 屋根の形状や方位により、パネルの配置に制約が生じる場合がある
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地上設置
地上設置は、遊休地などに架台を設けて太陽光パネルを設置する方法です。広い土地を活用できるため、大規模な発電設備を構築できます。設計の自由度が高く、日射条件に合わせて最適な方角や角度でパネルを設置できる点も特徴です。
【メリット】
● 遊休地など広い敷地を有効活用できる
● 大規模な発電設備を構築できる
● 設計の自由度が高く、最適な角度・方角で設置可能
【注意点・デメリット】
● 土地の確保が必要(農地の場合は農地転用の許可が必要)
● 土地の状態によっては造成費が高額になることがある
● 景観や土砂災害リスクへの配慮が必要
● 定期的な除草など、維持管理の手間がかかる
水上設置
水上設置は、ため池や湖沼、調整池などの水面にフロートを浮かべ、その上に太陽光パネルを設置する方法です。日本国内には約16万か所 のため池があり、水上太陽光発電のポテンシャルは38.8GW とされています。
【メリット】
● 土地取得費や造成費が不要
● 農地転用の手続きが不要
● 水面の冷却効果によりパネル温度が安定し、発電効率が高い
● 周囲に障害物が少なく、安定した発電量を確保しやすい
● 水面を覆うことで蒸発を抑制し、農業用ため池では水不足対策にも有効
水上設置を検討する際は、水質への影響や漁業権との調整が必要ですが、専門事業者のサポートを受けることでスムーズに解決できます。土地の制約で太陽光発電の導入を諦めていた企業にとって、水上設置は新たな可能性を開く選択肢といえるでしょう。
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水上太陽光発電のパイオニアであるシエル・テール・ジャパンは、高度なエンジニアリング技術を活かし、フロートやアンカーの安全設計により、水位変動・波浪・台風などの自然条件にも対応できるシステムを提供しています。
同社は世界各地で豊富な実績を持ち、日本国内でも愛媛県の馬木池太陽光発電所(DC1.2MW)や埼玉県の清久大池水上太陽光発電所(DC2.4MW)など、大規模な水上発電所の建設を手掛けています。
こちらの記事 では、水上太陽光発電の今後について解説しています。
設置するメリット・デメリットも取り上げているため、ぜひあわせてご覧ください。
まとめ
産業用太陽光発電は、売電価格の下落という課題を抱えつつも、自家消費型の導入やコスト削減により、今でも十分に投資回収が可能です。電気料金の高騰や脱炭素経営への対応を考慮すると、エネルギーコスト削減と企業価値の向上を同時に実現できる有効な手段です。
補助金や税制優遇、PPAモデルの活用により、初期投資の負担を軽減することもできます。また、設置形態には地上設置・屋根設置・水上設置の3つがあり、とくに水上設置は土地の制約を解消し、高い発電効率を実現できる点で注目されています。
シエル・テール・ジャパンは、豊富な実績と高い技術力を活かし、お客様のニーズに合わせた最適なソリューションを提供しています。ため池をはじめ、多種多様な水源に適応しており、適切な土地確保や設備確保が困難な状況の解決に大きく貢献します。
また、水上発電のコンセプト制作から水上太陽光発電所の設計・管理まで幅広くサポートいたします。水上太陽光発電の導入を検討されている方は、ぜひお気軽にお問い合わせください。
シエル・テール・ジャパンでは、お客様のご要望に応じて、柔軟性かつ透明性の高いお見積もり内容を心がけております。
ぜひ水上太陽光発電のお見積もりのご依頼をお待ちしております。
BY MIKU, SALES & MARKETING, CIEL TERRE JAPAN






